世界が色を失うとき

2013年05月11日 18:28

世界がまだ色を持っていた頃
僕らの毎日はそう、順調に流れて
あの時、あの頃まで、僕らは僕らの知りうる太陽を
僕らの知りうる青空を失うとは思わなかった

ねぇ、神様
僕らは無知なままで 
怖いものなんて何もなかった
大切なものだけを抱えていきていけると思っていた
本当は、ずっとずっと守っていかなければならない
大切なものであったことを忘れて


世界が色を失った時
何度も何度も僕らは願った
あの僕らが知りうる太陽を
僕らが知りうる青空をどうかもう一度と
そう願う毎日に変わったとき

ぽっかりと開いたこの胸の中と
僕らの代わりに泣く空がだけが、
僕らの側に在った