大切さ故に私は離れる

2013年05月11日 18:06

どうしたら、人を傷つけずにすむのだろう。
どうしたら、そんな自分に価値を見いだせるのだろう。
暗い闇の森を、深く深く進んでいるかのように
私の心は何時も迷っている。

あっちに行けばよいのかと
こっちに行けばよいのかと

大切な人を作らまいとしていた。
でも大事な人ができてしまった。
それは私にとって、歓喜を勝る恐怖だった。

"コワイ、コワイヨ"
また失うんだろう?己の愚かさで失うんだろう?
私には大切な人を傷つけることしかできないんだろう?
太陽のような笑顔を月のような笑顔にしか変えられないんだろう?

"誰からも必要とされる人間になってほしい"
そう願ってつけられた私の名は、逆の道しか進まない。

何年も傍にいた人が、泣き笑いを浮かべて私のもとを去る。
ねぇ、それはどれほどにこの胸を引き裂いていくのか。
ねぇ、それはどれほどにこの胸を押しつぶしていくのか。

それでも私は、自分が苦しむことを許せない。
私は"被害者"ではなく、"加害者"なのだから。

なのにどうして、この頬に温かい滴が流れるのだろう。
なのにどうして、醜い嗚咽を響かせるのだろう。

この先私に出会うであろう全ての人に私は言いたい。
"どうか私の傍には近寄らないで"と。