失恋

2013年05月11日 18:16

吐いた吐息は白くて
握りしめてた手の温かさが
初めて自分で得た大切なものだった

失うことを恐れて
何も言葉にできずにいた
君はただ黙って笑顔のままだったけど
本当は苦しかったんだね

気づく余裕すらもない僕自身が愚かで
何度も心のなかで罵倒したけれど
どんなに悔いたってもう、
君の温かさは僕から、失われてしまった


泣き笑いを浮かべた最後の君が
脳裏に焼き付いていて
嬉しそうに笑った君の姿を
僕はもう、思い出せない


からっぽになった胸の中で
余裕のない思考の中で
今度こそは、君の幸せを願いたい
例えその隣にいるのが、
僕ではない誰かだとしても。