あの頃

2013年05月11日 18:07

扉をあけて 映る景色は懐かしいあの頃
煤けた古い手紙を握りしめていた頃
黒くて綺麗な髪をした貴方を見ていた
もう、顔はおぼろげで、思い出せない。
そのことが苦くて、ただ切なかった。

自分の弱さを認めることが
あんなに、怖かったあの頃
見ていられればいいと、何度も思ったけれど

君がこの町を去る時
電車に乗り込んだ君が
泣きそうな顔で微笑んでいたこと
あの時、君は僕に。
何を伝えたかったんだろう?

閉まった、扉の壁からは
君の声は届かなくて。

あれから、何年もの時が過ぎて
またこの町に君が来たなら
僕はその言葉をもう一度、聞いてもいいのだろうか?

もし、聞けたなら
僕も素直に、好きと言おう。